建築デザイナーブログ

高級システムキッチンと浴室について

家造り徒然なる思い、高級システムキッチン&浴室・・・
いつもプランニングに入る前に、お客様のお家へ訪問をさせていただき、暮らし方を見せていただいています。それは、家の中にはプランニングに必要なたくさんのヒントが詰まっているからです。どんなものがお好きなのか?片付けや整理整頓がお好きなのか?ご家族の皆さんが、どういう物に囲まれ、時間を使い、将来はどういうふうに過ごしたいか?お好きな色は何か?どんな機能を持った家造りがしたいのか?等々です。

家造りにこだわりをお持ちの方は、暮らしへのこだわりもお持ちの方が多いのですが、その内容は多種多様です。
またそういう方は、好きと嫌いが明確で「欲しいものはこれで、これは好きじゃない」と整理がついていらっしゃることが多いので、プランを考えるときには、意外にすっきり生まれてきます。
現在たくさんの情報が溢れ、おぼれてしまいそうな状況の中、一生に一度の家造りだからとあれもこれもと色々含めることが良いそして失敗しない家造りだと思われがちですが、人の暮らしは意外にシンプルで、「本当に欲しいものは?」を突き詰めると不要なものに囲まれている生活や人生がいかに多いかと実感することばかりです。子育て中には、これもあれも可愛いと購入した子供のための物は、やがて不要になり、子供たちが巣立った後には、膨大な不用品に囲まれ、がらーんとした家で暮らすことになります。子供たちが巣立つまでの生活は、長い人生の中でほんの短い時間です。ですから物で溢れかえった社会と同じような空間では心が疲れてしまうので、なるだけシンプルに暮らすこと、すっきり暮らすことで、毎日がとても楽になると思っていますが、皆さんはいかがでしょうか?
何かのコレクターの方は、それ専用のお部屋が必要で生活空間とは別にした方が、ご家族皆さんにとって過ごしやすい家になると思います。集めている物を身近に感じたい方や見ながらの生活をされたい方は、スペースをしっかり決める事が平和な暮らし(笑)には必要かと思います。

さて、家とは何か?を考えると、それぞれの価値観によって違ってくると思いますが、一般的には一番居心地の良い場所で、生きる力が湧く場所であるべきと、私は思っています。
ですから、プランをするときにそれぞれがどんな生活=暮らし方がしたいか?と問い続けながらプランをします。その方々が何を求めて家造りをしたいか?が重要です。
機能的なこととして例えば冬温かく、夏涼しく暮らしたい、地震に強い家が欲しいなどは、現在はもう当たり前のことですので、敷地の環境状況は重要で、光や風がどう入ってくるなども重要です。

  1. ご夫婦だけの家、子育て中の家、その後の家。(家も変化していきますので、どの時代にも対応でき、そのキャパシティー内で工夫できるようにと考えます。住み替えも考えて手放すときに、付加価値が付く家造りも考慮します)
  2. ハウスキーパーさんがいる家(かなりの自由度でプランができます。)
  3. 二世帯で暮らす家(介護を考慮した家造り。現在は施設入居が多くなってきていますので、バリアフリーを考慮するのみの場合が増えてきています)
  4. ペットと暮らす家。(ペットに負担がなく、また習性を考慮します。ペットにも老後が訪れ、その時をどう迎えたいかなども含めて考えます)
  5. 人が集まる家。静かに暮らす家。(ライフスタイルを伺うとプランは見えてきます)

どちらにして、その時だけはその生活をしてもよいと考えられる方もいらっしゃいますので、それもありだと思います。

さて、今回はシステムキッチンについて少し書きます。

高級システムキッチンについて

次の写真は、私にとっては海外生活で馴染みの深い輸入キッチンです。
システムキッチン
*輸入キッチン・メリットキッチン:(サンタ通商にて)国産のキッチンにはないデザイン、それでいて何か暖かさを感じることができます。例えば壁に目の高さで設置できるオーブンやシンク近くに設置する大型の食洗器などはミーレ、水栓はタッチレス(国産品も多種ありますが、デザイン的に素敵だと心を動かされるものは意外に少なく、利便性重視の物が多いですね。)などですが、輸入、国産品を問わずどちらもお料理するときの使い勝手が良く、楽しみが膨らみます。
最近の傾向として、キッチンの色は黒っぽい色が多く出ますが、お忙しい生活をなさっていらっしゃる方やお料理後に毎回シンクの中をお掃除なさらない方には、シンクの中まで黒になさることはお勧めしていません。私の自宅が黒ですが、石鹸カスが白くついてそのしみが目立ってしまいます。シンクの中は洗剤が目立たない色になさった方が良いと思います。

システムキッチン
システムキッチン
システムキッチン

ワークトップや面材の素材&色、キャビネットの取手等々、片付けや掃除のスタイルにあわせてお選びになることができます。完全オーダーキッチンは、日本にもショールームがあるアメリカやドイツの商品をはじめ、国産のオーダーキッチンもあります。オーダーキッチンの良さは、完全注文住宅と同様にすべて注文できること。機器やサイズも自分の家に合わせてオーダーできる事です。但しグリルや食洗器などの寸法はオーダーキッチンメーカーでも決まっている場合もあります。ご確認ください。

例えば、お客様のこだわりが、「料理が好き」(家族のために作るのが好き? 友達にもご馳走したい?プロが使うようなキッチンが欲しい)だとすると、

システムキッチン
システムキッチン

高級コンロ:ガゲナウ IHとガス

システムキッチン

高級オーブン・食洗器はミーレ・ガゲナウなど(写真:リナアタラーラにて)
オーブン料理やお菓子造りを良くなさる方は、大型のオーブンやレンジがビルトインされていると使いやすいです。食洗器は、人がたくさん集まる家や大家族には大型をお勧めします。
上の写真はショールームですので、オーブンと食洗器がメーカー毎に上下で展示していますが、食洗器はシンク近くにセットします。機能的には、輸入品は容量とパワーとデザイン性が高く国産品とのおおきな違いですね。
また、下の写真の右側は冷蔵庫ですが、システムキッチンの面材と揃えることができます。

システムキッチン
システムキッチン

*ビルトイン冷蔵庫は容量が小さいので、片方は冷蔵、片方は冷凍と並べて設置することがほとんどです。そして、キッチンの面材と揃えることができるので、すっきり同じ表情で収まります。このデメリットは、壊れたときに、仮に交換の必要があった場合は、同じ面材がある場合と例えば20年も前の物だとない場合があり、揃える事が難しくなります。
イギリスのリバプールの私宅では、ドイツ製で面材は白でした。エジンバラの家は以前ブログに書いた通り淡い色の面材でした。(そういう場合は、床のタイルなどでいろいろ楽しめます)
私は、日本では国産メーカーの冷蔵庫を20年以上も使っていますが、まだまだ問題なく使えそうです。家電は当たり外れがあり、輸入品、国産品ともにあると思います。

そこで、気になるのはメンテナンスの件ですが、国産の大手メーカーはメンテ内容によりますが、ご連絡後1~3週間でサービル担当者がご訪問し調査や修理をしてくれます。輸入品も大体同じだと思います。
各メーカーは、ライバル社より早いと言いますが、さてどうでしょう?・・・
  
水栓金具について・・・
日本で認知度の高いドイツ製のグローエやセラトレーディングのイタリア人、ドイツ人、フランス人などのデザイナーの商品、国産メーカーでは、TOTO、リクシル等々たくさんあります。デザインのコンセプトに合わせて、またその機能性を理解してお選びなることをお勧めします。

水栓
水栓

*水栓金具は、本当にたくさんの種類がありますね。
イタリア製などはかなりおしゃれなデザインが多くデザイナーによるものは、高額ですが、キッチン、洗面、浴室で機能もいろいろなので、楽しみたいですね。
もう20年以上前から、イタリアなどではオーバーヘッドシャワーが使われていました。

シャワーヘッド

ということで、次はお風呂についてです。

浴室(お風呂)について

お風呂で癒されたい(一人で静かに自分の時間としてのお風呂にしたい?子供達と一緒に楽しい時間にしたい?)一日の疲れを取り除きたいというのは、一番求められています。

浴室

国産メーカー:弊社施工例・エアーインオーバーネッドシャワーや節水シャワーヘッドやユニットバスでもブローバスや、ミストバス等々、また掃除は基本的に楽な壁、天井材、床はヒートショックを起さない、柔らかな素材が主流です。
お風呂での時間の使い方などを見つめてお選びになられたら良いと思います。

浴室

フローバス・ジェットバスなども一般的になってきています。
お風呂でTVを見たり音楽を聴いたり、それも一般的になってきていますね。

浴室

次の写真のように完全オーダーバスは、お好きな素材で、すべて選ぶことができオリジナルなお風呂になります。
大理石の壁材や水栓金具などもかなりおしゃれな物がたくさんあります。

大理石の浴室

*完全オーダーバス:弊社ご提供品
以上、オーダーキッチン・浴室についてですが、建売住宅に、自分を合わせ暮らすことができるか?一番癒される場所だから、注文住宅にしたいかということになって来ると思います。

洗面台等については、またの機会に書きたいと思います。

その他に注文住宅・輸入住宅を建てる際のこだわりとして、

  1. 掃除・片付けが楽(収納場所が各部屋にあって各自に独立した片付けをと考える?収納をまとめて大人の家事を減らしたい?掃除は掃除機が勝手にしてくれたらいい?子供に掃除や片付けの教育はしっかりしたい?大人の生活を優先したい?)
  2. 趣味の部屋が欲しい(寝室とは別に趣味の部屋がほしい?夫婦別々の寝室が欲しい=趣味の部屋にもしたい?)
  3. リビングで、子育て中は子供の友達が遊びに来てもよく見れる状況が良いし大人たちも集まれる家にしたい?)
  4. オープンマインドな生活よりは個人の時間を大切にしたい?
  5. 将来親を呼び寄せ一緒に暮らしたい?
  6. もう退職したから、これからの人生を楽しみたい?介護までは考えられないけど、身体に負担のかからない家造りが良い?
  7. ペットと暮らすために、ペットにも楽な生活空間を設けたい(ペット用品の収納場所は?ペットが歩行や走ることに負担がかからない床が?)
  8. デザインはシンプルデザインがいい?
  9. 海外にあるような輸入住宅のデザインがいい?
  10. 色は白っぽくまとめたい?黒で男前な雰囲気でまとめたい?ポップで明るい雰囲気にしたい?ブラウン系で落ち着いた雰囲気がいい?
  11. シティホテルのイメージでまとめたい?リゾート感を感じる雰囲気がいい?
  12. 断熱にこだわりたい・・耐震にこだわりたい・・・

等々たくさん上がってきますが、大きく分けて3つに分けられると思います。

  1. 家のイメージ
  2. 実用的設備内容
  3. 生活スタイル

この3点はもちろん重なっている部分もあります。初めての家造りに取り組む方は、楽しむためにも、この3点を整理すること、考える事から始めてみても良いのではないでしょうか。

家のイメージはヨーロッパやアメリカなどの輸入住宅や、日本建築だったりしても、キッチン、浴室、洗面などの設備機器は一般的にはシンプルなデザインが主流を占めています。
そして、最近ライフスタイルはできるだけサスティナブルな生活や温暖化が進む全世界の状況下、高気密高断熱が求められ、原子力に頼らずに生活することも求められてきています。

さて、皆さんにとって家造りとはどういうことでしょうか?新しい出会いの中で、私も問い続けていきたいと思っています。

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