今までいろいろな国や都市を訪ね、暮らし方や家に対する考え方について観察してきました。
そこでその中から今回はイタリアのアルベロベッロをビックアップし日本と比較しようと思います。
その前に、住宅について考えることは、当然ですが文化・政治・経済に影響され、育ち方や育った環境や空間にもとても大きく影響されます。
まず初めに、ご相談をお受けするためにお客様のお宅訪問をさせていただき建築前の暮らし方をみせていただきます。
そして多くの方々から「片付けしなければと思っているけど、なかなかできないので、片付けが簡単にできて収納がたくさんある家にしたい」とのご要望をいただきました。共働きのご家族の生活や時間の流れ方、家事の分担や、お一人の方などのライフスタイルに合わせた家事動線や収納を考慮したプランやデザインのご要望にお応えしてきましたが、完成した家に引っ越した直後は、すっきりとした空間に住み始めますが、私を含めほとんどの方々は、日々を積み重ね行くうちに、物が増えすっきり暮らす生活からは程遠い状態になっていきます。
稀に竣工当時と変わらずに片付けや掃除が行き届いている方々もいらっしゃいますが、その方々は定期的に断捨離をし、整理上手なんだと感じます。
例外にもれず、私も断捨離をしては物が増える暮らし方を繰り返しています。
日本の超消費社会の価値観の中で育ち、物に溢れた生活空間で育ち、それを時には批判しながらもその空間に落ち着きを感じたりもし
ています。
家族全員分の収納をウォークインクローゼットーカ所に集中させみんなで使う、各部屋にそれぞれの収納部を設けるなど、暮らし方やご要望にお応えして提案をしていますが、新築当初は充分なスペースを設けても、生活をすると物が溢れ出してしまいます。
容積率・建蔽率いつばいで建てた家でも、物が増えて不足だと感じ、子供たちが巣立ってからは、家が大きすぎると感じ、状況によって気持ちも変化していきます。どうしたら、それぞれの年代で充分だと感じてもらえるか?はテーマとして重要ですが、物を整理する気持ち、本当に必要なのか?と自問自答してからの物の購入を考えるということを習慣付けられると良いと思います。
100坪の大きな家でも30坪の家でも、物であふれる暮らし方をする人は、どんなに収納部を設けても、暮らし方が変わらない限り、収納は不足していきます。
ご提案としては衣替えの度にとはいいませんが、ご家族の成長に合わせて、また一人の方は、生活や生き方を見直していただけると、心穏やかにすっきり暮らしていただけると思います。
物であふれた空間に住むのが好きで落ち着く方は、それもまた生き方ですし、人生だと思います。一つだけ気になるのは、火災や災害にならずに暮らしていただければと願っています。完成後に5 年、1 0 年、1 5 年、2 0 年・・・と時を重ねて住んでいただいている家に点検にお伺いしていますが、お住まいの方々の人生が刻まれ、生活や時間の流れ、そして空間も変化し、お子さんたちは成長し、家も変化していくということを実感する瞬間があります。ですから、その時々に最低限必要なもので暮らすことがいつもすっきり暮らす基本だと思っています。
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